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国際社会はワクチンの不平等から何を学んだのか ゲイツ財団らがオンラインイベント開催

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行(パンデミック)が宣言されてから2年が経ちました。欧米で終息に向けた楽観論が広がる一方で、低・中所得国は今なおその脅威と向き合っています。GZEROメディアとビル&メリンダ・ゲイツ財団(BMGF)は2022年3月2日、専門家を招いたオンラインイベントを開き、健康と経済の二つの観点から、世界の不均衡な回復の現状について議論しました。

冒頭、アフリカ疾病管理センター(CDC)のジョン・ヌケンガソン所長は「アフリカでは13億人の人口のうち、2回のワクチン接種を終えたのは、まだ12%にすぎない」と指摘した上で、ウイルスとその影響が「非常に予測不可能であり、非常に不安定」であることから、COVID-19の現状については、今なお強い懸念があるとしました。一方で、ワクチンの需要に供給がようやく追いつき、在庫がダブついている国もあるとして、最も早急に取り組むべきことは「ワクチン(の入手)ではなく、ワクチン接種(vaccinating rather than vaccines)」だと述べ、ワクチンの適切な配布や注射器などの調達の必要性を強調しました。またCOVID-19のパンデミックが長引くことによって、健康分野だけでなく、開発や経済、安全保障の各分野の問題として議論されていることが紹介されました。

COVID-19対策で各国に大きな差が見られる現状について、BMGFのマーク・スズマンCEOは、ワクチンの不公平な分配などをその理由に挙げました。「ワクチンの開発前は、最も弱い立場の人々に配布することで各国は原則的に合意していた。しかし一旦開発されると、欧米諸国では国内の政治的圧力により、自国向けに自由に調達を始めた」と指摘しました。またスズマン氏は、今後なすべきこととして、二つ挙げました。まず現在の危機から脱するため、ワクチン未接種の人たちに効果的に届けること、さらに次のパンデミックに備えて、優れたサーベイランス(調査監視)や研究開発(R&D)、製造能力(manufacturing capabilities)など、あらゆる手段と体制を、低・中所得国、高所得国いずれにおいても整えておく必要がある、としました。

新たなワクチンの開発・製造を目指す国際的な官民連携パートナーシップ「感染症流行対策イノベーション連合」(CEPI)のメラニー・サヴィル・ワクチン研究開発部長は、mRNA技術を活用して326日で効果的なワクチンが開発できたことは科学的にも画期的だったと指摘した上で、将来のパンデミックに備え、100日以内の短期開発を可能とする態勢を築くとともに、mRNA技術への公平なアクセスや現地での製造・流通が大切だ、と強調しました。

オンラインイベントには、Gaviワクチンアライアンスのジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ理事会議長やGZEROメディアの親会社であるユーラシアグループ代表で国際政治学者のイアン・ブレマー氏らも参加しました。

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