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ACT-A WATCH

計画的な供給などを要請 アフリカ向けワクチン寄付で共同声明

ワクチンアフリカ声明・報告書
アンゴラのワクチン接種センターでの接種事前登録の様子 ©WHO / Booming - Carlos Cesar

(写真)アンゴラのワクチン接種センターでの接種事前登録の様子
(©WHO / Booming - Carlos Cesar)

アフリカワクチン入手トラスト(AVAT)(注)、アフリカ疾病対策予防センター(アフリカCDC)、COVAXの三者は11月29日、アフリカ各国や他のCOVAX参加国に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの寄付のあり方などについて共同声明を発表しました。

AVATとCOVAXは、アフリカの人口の70%にワクチン接種するという目標達成に向けて連携してきました。過去数カ月の取り組みを振り返ると、高所得国などからの現物供与(寄付)がワクチンの重要な供給源となってきました。具体的には各国が個別に調達した数百万回分を大きく上回る、9000万回分を超えるワクチンがCOVAXとAVATを通じて各国に届けられています。ただし寄付の「質」には改善の余地があると指摘しています。

共同声明によると、これまでの寄付の大半はその場限りのものであり、事前の情報が十分になかったり、ワクチン自体の有効期限が短かったりするものでした。そのため、アフリカ各国が予防接種キャンペーンを計画したり、ワクチンの受け入れ能力を拡大したりすることが非常に難しくなっています。ワクチン寄付が、COVAXとAVATの購入契約によるワクチン供給を補完できる持続可能な供給源となり、アフリカ大陸全体でより高いワクチン接種率を達成するためには、この趨勢を変えなければならない、としています。

現状では、有効期限の短いワクチンを短期間で確実に接種しなければならない場合、すでに疲弊している保健システムの物流面での負担を増やしています。また有効期限の短いワクチンは、国内に届けられた後、期限切れのリスクが劇的に高まり、ワクチンの信頼性に長期的な影響を与える可能性があります。声明は「各国は予測可能で信頼できる供給を必要としている」と強調しています

そのうえで、声明は、2022年1月1日から、国際社会、特に供与国(ドナー)や製造企業に対して、以下の基準を守り、取り組みを進めていくよう呼びかけています。

【量と予測可能性】供与国は、取引コストを削減するために、大量にまとめて、かつ予測可能な方法でワクチンを寄付する

【割り当てと公平性】ワクチン寄付が最大限の効果を発揮し、長期的な計画を可能にするため、ワクチンを特定の国に供与するよう指定しない。特定の国に指定して供与すると、公平性に基づいた分配が難しくなる。また、コールド・チェーンなど、その国の受け入れ体制がまだ整っていないこともある

【有効期限】ワクチンが国内に届けられた時点で、10週間以上の有効期限が必要である。ただし、ワクチンを受け取る国が、有効期限が10週間以内のワクチンを使用する意思と能力を示した場合はこの限りではない

【早期の予告】ワクチンを受け取る国に対し、受け取りの4週間前までに予告する

【迅速な情報提供】すべての関係者は、必要不可欠な情報を迅速に提供する。製造企業からのワクチン供給に関する重要な情報(寄付の総量、有効期限、製造場所)、ドナーからのワクチン寄付の申し出の確認、各国からのワクチン供給の受け入れ・拒否などを含む。これらの情報提供が直前のタイミングになってしまうと、手続きが増えたり、コストが増加したりして、ワクチンの有効期限を短くしてしまうこともある

【関連物品と輸送費】迅速な分配と受け入れを保証するために、ワクチン寄付には必要なすべての関連物品と輸送費が含まれる必要がある。これまでの寄付の大半には、注射器や希釈剤など必要な予防接種用品が含まれておらず、輸送費もカバーされていなかった。これらは個別に調達する必要があり、追加の費用、複雑さ、遅延につながっている

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(注)アフリカワクチン入手トラスト(African Vaccine Acquisition Trust: AVAT)

アフリカ連合(AU)加盟国のためにワクチンを共同購入する仕組み。アフリカ全体の人口の70%へのワクチン接種を目指している。2020年8月にAU首脳会合でCOVID-19ワクチン接種戦略が策定され、当時AU議長であった南アフリカのラマポーザ大統領のイニシアチブで2020年11月にCOVID-19アフリカワクチン入手タスクチーム(AVATT)が立ち上げられ、これによってAVATが設立された。アフリカCDC、アフリカ輸出入銀行(Afreximbank)、国連アフリカ経済委員会(ECA)などと協働する。

参考記事(英文): Africa announces the rollout of 400m vaccine doses to the African Union Member States and the Caribbean
(2021年8月5日)(「アフリカはAU加盟国およびカリブ海諸国において
4億回分のワクチン接種を展開すると発表」)

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