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ワクチン接種の9月末目標、56カ国が達成できず/WHO事務局長「恐ろしい不平等」

ワクチン
2021年3月、COVAXからスーダンに届けられたアストラゼネカ社製ワクチン © UNICEF/UN0425090/Yeslam

(写真)2021年3月、COVAXからスーダンに届けられたアストラゼネカ社製ワクチン  © UNICEF/UN0425090/Yeslam

世界保健機関(WHO)が定める、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの9月末までの接種目標(各国の人口の10%が接種完了)について、56カ国が達成できていないことが分かりました。このうち半数の国では、接種率が2%にも満たないといいます。WHOのテドロス事務局長が日本時間の10月1日午前、ツイッターに自らのアカウント(@DrTedros)から投稿しました。

ワクチンの公平性を意味する#VaccinEquityのハッシュタグが付けられた投稿には、「一つの国を守るには、他国が守られていなければ、限界がある」というメッセージが書かれたイラストが添えられ、新型コロナウイルスとのたたかいにはワクチン接種が広く行き渡ることが必要であることが強調されています。それに続くツイートで、「ワクチンの不平等な分配は、感染拡大と死亡を助長し、新たな変異株が発生するリスクとなり、社会や経済により大きな混乱をもたらすでしょう」と警鐘を鳴らしています。

テドロス事務局長は10月7日の記者会見で、これまで64億回以上のワクチンが投与され、世界の人口のおよそ3分の1が接種を完了したことを明らかにしたうえで、「この数字は恐ろしい不平等を覆い隠しています」と述べました。テドロス氏によると、これらのワクチンのうち75%が高所得国と上位中所得国で使用される一方、低所得国は0.5%しか受け取っておらず、その背景には、高所得国と製薬企業が2者取引を優先するなどしてきたことがあると指摘しました。こうした現状を念頭に「56カ国は9月末までの目標は達成できませんでしたが、それらの国々自身の過失ではありません」「供給の問題ではなく、割り当ての問題なのです」と述べました。

WHOでACTアクセラレーターの責任者を務めるエイルワード博士は10月28日、今後年末までに30億回分のワクチン生産が見込まれており、このうち10日間の生産量にあたる5億5千万回分さえあれば、すべての国が12月末に定められた目標(各国の人口の40%が接種完了)を達成できると述べました。エイルワード氏は「この目標は決して気の遠くなるようなものではなく、意志の問題なのです。世界の連帯が試されています。」と述べました。しかし、現段階では、アフリカを中心に82カ国で目標達成は難しいと見られています。

参考: The Accelerator News from ACT-A, 29 October 2021
"Through no fault of their own," 56 countries miss WHO's first vaccination target

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