(写真)ソマリア中部ガルムドゥグ州の病院で、パルスオキシメーターで血中酸素濃度を測定される子ども © WHO / Ismail Taxta
ACTアクセラレーター(ACT-A)は8月16日、新型コロナウイルスのデルタ株による感染症(COVID-19)の急速な広がりに対応するため、各国政府や国際機関などに対し、77億ドルの資金拠出を求める緊急の呼びかけを行いました。現時点で、ACT-Aの2020-21年の予算額(332 億ドル)に対し、166 億ドルが不足しているためです。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は18日の記者会見で「検査や医療用酸素を含む治療、医療従事者の防護具、ワクチンなどの供給規模拡大や研究開発(R&D)の強化などに充てたい」と話しています。
77億ドルの内訳や摘要は以下の通りです。
検査の規模拡大(24 億ドル)
低所得国と下位中所得国の検査を現在の10 倍に増やすことにより、感染の連鎖を抑えるとともに、新たに出現する変異株や変化する症状の疫学的な理解を強化する
救命用酸素のニーズに対応(12 億ドル)
デルタ株で急増する感染死を減らし、救命治療に必要な酸素を確保する
最前線で働く医療従事者の保護(17億ドル)
200万人に基本的な個人用防護具を提供し、人員不足や対応能力を越える状況に置かれた保健医療システムの崩壊を防ぐ
ウイルスに「先回り」する研究開発(R&D)(10 億ドル)
現在の研究開発を進めることにより、デルタ株や今後出現する変異株に対応する検査、治療、ワクチンの製造や技術支援などを可能とするとともに、必要な人に入手可能な価格で届けられるようにする
医療手段の展開(14 億ドル)
COVID-19をめぐる医療手段(ツール)の効果的な配置や使用を妨げる原因の特定と解決を支援する。数か月後にはワクチン供給が増加すると見込まれ、現場で生じる配布格差を解消するために柔軟に対応できる資金を提供する
(『ACT-A WATCH』第3号より)
The Accelerator News from ACT-A 8月号の情報よりJCIE 作成