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ACT-A WATCH

ACT-A発足1周年の節目、立ちはだかる課題も

アフリカワクチン資金
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(写真)2021年2月、ガーナはアフリカで最初にCOVAXからワクチンを受け取った国となりました。しかし、アフリカ諸国をはじめ、低所得国に配分されるワクチンは全く足りていません。 © Gavi/Edinam Awo Amewode/2021

ACT-A発足から1年目を迎えた2021年4月

 新型コロナウイルスをめぐる状況は日々大きく変化しています。ワクチンや安価で簡便な迅速検査法などは、ACTアクセラレーター(ACT-A)が立ち上がった1年前にはなかったものです。一方で、感染力が強いとされる変異株が次々と現れ、ウイルスと闘う手段(ツール)の有効性が脅かされています。
 4月23日に開かれた、ACT-A発足1周年のオンライン記者会見で、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、資金不足やワクチン供給の偏りなどを挙げて、「手段はあるにもかかわらず、多くの命が失われるのを放っておいていいのだろうか。不公平な世界を変えなければならない」と、各国政府や企業などにさらなる貢献を訴えました。

“今日は、1周年を祝うのではなく、もっと真剣に闘うと心に誓うべき日だ。私たちは世界中の人々に対して、一刻も早く感染に打ち勝ち、そして誰ひとりとして取り残さないように取り組む義務を負っている”
(「グローバルファンド」のサンズ事務局長)

 最大の課題として、テドロス氏が指摘するのが、圧倒的な資金不足です。また、部門別の偏りも目立ちます。ワクチン部門の調達率が高い一方、検査、治療、保健システムの各部門は大幅な資金不足が続いています。ワクチンの普及と並行して、「検査(test)、接触者追跡(trace)、治療(treat)」の3つのTを回していくことで、感染者を迅速に見つけ、接触者を探し、感染者を隔離し、重症患者を治療するというシームレスな対策が可能となり、その結果、感染の連鎖を断ち切ることにつながりますが、資金面ではバランスが取れていません。

 またワクチン供給をめぐっては、先進国による直接買い付けや、生産国による輸出制限や外交手段としての活用、技術や知的財産権の移転への消極姿勢などが、世界的な生産や供給不足を生み出している、とWHOは指摘します。テドロス事務局長は4月22日付のニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、「豊かな国が( 低・中所得国への平等な供給を目指す)COVAXの支持を表明するのと同時に、COVAXに割り振られるべきワクチンを自国のために確保しようとしている」と述べ、先進国の二重基準を批判しています。

“ワクチン・ナショナリズムは、新型コロナウイルスの爆発的感染(パンデミック)からの収束を大きく妨げ、各国間の不平等を一層深刻にしている”
  (南アフリカのラマポーザ大統領)

 主要な医学誌の一つ、ランセットは、4月17日号で、「ACTアクセラレーターは正しい方向に進んでいるか?」と題する社説を掲載し、①既存の開発援助モデルに依拠しているため、各国の財源が開発援助(ODA)に限られ、資金不足に陥っている ②検査、治療、ワクチンという技術的ソリューションを重視しているため、保健システムやパンデミックを引き起こすシステムへの対応が足りない、などと指摘しています。

(『ACT-A WATCH』第1号より)

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