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ACT-A WATCH

2021年6月2日「ワクチンサミット」開催

ワクチン資金外交日本と世界
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(写真)フィリピンの首都マニラの病院で3月、新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける医師。服の背中には「新型コロナウイルス感染症を打ち負かす」というメッセージが書かれています。 © WHO / Blink Media - Hannah Reyes Morales

日本とGaviが「ワクチンサミット」を共催

 低・中所得国向けの新型コロナウイルスワクチン支援を話し合う「COVAX 事前買取制度(Advance Market Commitment、AMC)首脳会議」(ワクチンサミット)が、2021年6月2日、日本とGaviワクチンアライアンスの共催でオンラインで開かれました。ハリス米国副大統領やフォンデアライエン欧州委員長ら約40カ国の首脳をはじめ、グテーレス国連事務総長、テドロス世界保健機関(WHO)事務局長、市民社会や企業の代表らが参加しました。
 ACTアクセラレーター(ACT-A)の柱の一つであるCOVAXは、安全かつ効果的な承認済みワクチンを調達し、90を超える低・中所得国を中心に公平に分配することを目指しています。このうち対象国の人口の約30%に相当する18 億回分のワクチンの確保では、83 億ドルの資金調達を目指すものの、これまで13 億ドルが不足していました。サミットでは、議長を務めた日本の菅義偉首相が8 億ドルの新たな拠出を発表したほか、フランスやスイス、フィリピン、ベトナムなどの国々やゲイツ財団など民間セクターが追加拠出を表明。Gaviワクチンアライアンスによると、合計で24 億ドルにのぼり、目標額を大きく上回る96 億ドルに達しました。これに加えてワクチン配布のコストをまかなうために7億7500万ドルの拠出表明もありました。

“今回のサミットの成果(中略)は、世界全体での「ワクチンへの公平なアクセス」を確保するための、極めて大きな、そして意味のある前進です。(中略)しかしながら、「ワクチンへの公平なアクセス」を更に進めるには、持続可能な財政支援、生産能力の拡張など、課題は残されています。「ACTアクセラレータ」を通じた、治療、診断、保健システムの強化を含む包括的な取組も重要です” 
    (菅義偉首相の「閉会挨拶」より)

現物供与の表明、相次ぐ

 サミットでは、ワクチンの現物供与の表明も相次ぎました。世界的に必要とされるワクチンの供給が追い付かない中、高所得国が必要以上のワクチンを確保しているとの批判があり、低・中所得国にもワクチンへのアクセスが公平に保たれるようにするには、資金的な援助だけではなく、ワクチンの現物供与も必要であると言われているためです。日本は、今後国内で生産するワクチン3000万回分の供給を発表。ベルギー、デンマーク、スぺイン、スウェーデンの4カ国と合わせて、5400万回分にのぼりました。大半はCOVAXを通じた提供になる見通しです。
 ワクチンの現物供与をめぐっては、こうした動きとは別に、米国が大きく先行しています。8000万回分については6月末までの供給を決定しており、このうち75%はCOVAXを通じての供給とのことです。ホワイトハウスは6月3日、2500万回分(うち、約1900万回分はCOVAX 経由)について、供与国・地域と供与数を明らかにしました。またG7サミット開幕前の6月10日、バイデン大統領は訪問先の英国で、これに加えて5 億回分のワクチンを1年以内に供給することを発表しました。このうち2 億回分は年末までに提供するとしています。

※ 文中の情報は、全て「ワクチンサミット」開催時点のものです。

(『ACT-A WATCH』第2号より)

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